先シーズン春、BCスキー板のツアービンディングが故障したので秋頃に中古の(ピン)テックビンディングの G3 ION 12 を入手しました。新しい板やシールを併せて買う余裕は無い!・・・ので今使っている板(ATOMIC BACKLAND 95 173cm、16-17モデル)にテックビンディングを付けなおします。
⇒関連記事:「燧ケ岳BCスキー(御池口)途中まで」
⇒関連記事:「K2 244 組立」

【G3 ION 12 の取付方法調査、構造把握】
素人ですので・・・Google先生やYoutube先生から海外含めて取付方法に関する情報を得ようとしたのですが、いまいちこれといった情報が得られなかったので、まず構造を把握して正しく取り付けるというアプローチにしました。トウピースの外観。

レバーを押し下げるとピン幅が広がります。

ピンの間にブーツのつま先を降ろして押し下げるとピンが内側に入り、つま先の穴に入り固定されます。

歩行モードではレバーを上に引き上げてピンが誤開放しないようにロックします。滑走モードでは転倒した時にブーツが外れるようにロックしません。

スキー板には4隅の穴でスキー板に固定します。手前の少し小さい2つの穴は、オプションのアイゼンを装着するためのベースを固定する穴です。手前から差し込んで上からネジで固定します。

裏側を見ると、アイゼン取付のベースが差し込めるように少し浮いた構造です。

ヒールピースの外観。

3番のプラスドライバを使い、下のネジで前後位置調整、真ん中と上のネジで解放値(最大12)を調整します。どちらも同じ数値に調整するようです。

ブレーキのスプリングの上にはカバーが被っています。このカバーをどうやって取り外すか謎でした。

どちらかにヒールパーツ回して歩行モードにします。上から数ミリ程度ですが、押し下げるとロックされます。

真ん中のネジを左に回し続けると取れます。

グリスまみれの2重のスプリングと先端のカバーを取ります。カバーがグリスでくっついて奥に残ることもありますが、その場合はラジオペンチを突っ込んで広げるようにして手間に引くと簡単に取れます。これは海外の先生から学びました。

上に抜くと簡単に取れます。

いろいろいじっているうちに偶然なんですが、後ろ側からマイナスドライバとかでこじって上に引き上げるようにするとブレーキのスプリングを覆っていたカバーが取れました。前側が爪で引っかかっている構造なので前側からこじってはいけません。

スター型のネジを4か所とると底面のカバーが外れます。

歩行モードでは、ブレーキが真ん中の爪で収納した状態で固定でき、滑走モードでは固定されない仕組みなのですが、これがヒールパーツを回すのと連動しているのは当初から理解していたものの、その仕組みがなかなか理解できなかったのですが、底面のカバーを外すことでやっと理解できました。
あと、以下のようにブレーキペダルの真下にある穴から前側のネジにアクセスできる前後位置が、工場出荷の位置(前後調整におけるセンター位置)なのではないかと想像できました。

ブレーキのスプリングを固定しているピンを叩き押し出して(海外のサイトでスプリング交換手順の動画で見ました)スプリングを取り外した方がヒールピースを付けるときにドライバを垂直に差し込んでネジを回しやすいのですが、予め浅くネジを切ってからヒールピースを固定すれば大丈夫そうです。
【故障したツアービンディングの取り外し】
故障した チロリア(TYROLIA)アンビション12(AAAMBITION 12) '19 MODEL、ブレーキ幅:105mmです。

ヒールを固定する内側の白いパーツのプラスチック製のピンが折れまくっており、想定通りの動作をしなくなってしまっています。雪が詰まると簡単に折れる構造だと思います。白い部分が金属でできていると強度的に良いのですけど。。。このヒールパーツが入手可能であれば交換することでまた使えるようになるのですが材質は変わらないのでまた同じ故障が発生すると思いました。

さくっと取り外し完了。

【入手したテックビンディングの取り付け】
取付位置の検討。ツアービンディングの取付穴に近いと強度的に問題があるので、滑走中に板がどうたわむかを想像しながら強度的に最適な位置を決めました。結果的に以前のブーツ位置より2cm前になる位置に取付けることにしました。2cm程度であればあまり滑りに影響ないかと・・・。

トウピースを先に取付けます。型紙を作ってセンターになるように養生テープで貼付け。プロが使う穴開け用ベースがあったとしても、信用できないんでこうすると思います。。。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、穴をあける場所に型紙の上からセンターポンチで跡を付けます。その後、型紙を取り外します。

3mmの木工ドリル(ずれないやつです)で下穴を浅く開けてから、3.8mmのドリルに養生テープを9mmの深さになるような位置に巻いて「慎重に」かつ「垂直に」穴をあけます。あとから気が付いたのですが、簡易ボール盤があったのでそれを使えばよかったです・・・。

ATOMIC BACKLAND に限っては、中が空洞になっている構造のようで、ほぼ表面のプラ材質でビンディングが固定されるようです。なので、ビスは本当は4mmなのですが少し小さめの3.8mmの穴をあけて、ドライバを押し込むようにねじ切りながら固定します。
他の板はあらかじめネジを切ってから固定するのが通常のやり方と思いますが、この板に限っては小さめの穴をあけてからトウピースをいきなり固定した方がよいと思いました。4つのビスを均等に締まるように気を遣いつつ固定します。
板の内部構造は穴をあけるときの感触でだいたい想像がつきますのでどのような方法で取り付けるかは臨機応変に対応するのが良いと思います。

ブーツを取り付けてみる。

もう片側のトウピースも同じ手順で取付完了。

次にヒールピースの取付のため型紙を付けます。ブーツ現物合わせで数ミリ余裕をもって取付位置を決めます。その後、トウピース後端からヒールピースの前側ネジ穴までの距離を念のため測定しておきます。(25.4cm)もう片側の板に取付の際に同じ取付位置になっていることを確認するため。

ヒールピースのネジ穴はドライバを完全に垂直に入れることが難しいので、あらかじめ浅くネジを押し回して切っておきます。 前に書いたようにブレーキのスプリングやヒールパーツを取り外せばドライバを垂直に入れることは可能ですが・・・面倒であることやグリスに切りくずなどのゴミを着けたくないなどの理由で。

前側の2つのビスから取り付けるのですが、締め始めはヒールパーツを左右に傾けながらドライバをできる限り垂直に入れるようにして押し回して固定するのがコツです。

その後、後ろ側の2つのビスは、ヒールパーツを左右に回してドライバができる限り垂直に入るようにビスを交互に押し回します。交互にビスを締めるときにヒールパーツを左右に毎回、いちいち回さなければいけないのが面倒ですが。

滑走モードでブーツを装着すると、想定通り数ミリ間が開いてますので。

ぴったりになるように目視で調整します。厳密には隙間ゲージ使って0.1ミリ程度開くようにするのがベストだと思いますが。。。

歩行モードの確認。

ヒール高さ1段目。

ヒール高さ2段目。

完成!
ドリルで穴あけの直後の取付なので板が熱くなっていて材料やパーツが膨張している可能性があるため明日増し締めします。ネジと取付穴の構造上、ゆるみ止めの仕組みがあったので、ネジロックの固着剤は今回使いませんでした。
あと、ツアービンディングの穴は、エポキシ系の接着剤で埋めるのがベストなのですが、また使うかもしれない(?)ので表面をシールで塞ぐ程度にする予定です。

#ものすごく軽い・・・BACKLANDってこんなに軽かったのね。。(ビンディング合計で2kg以上違うので当然と言えば当然)
#メモ
#ブーツ:テクニカ COCHISE 130 DYN '18/'19 model 内285mm 外325mm、ソール一部交換
#シール:G3 Alpinist+ UNIVERSAL Climbing Skins 幅130mm 長183-199mm(L)
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【G3 ION 12 の取付方法調査、構造把握】
素人ですので・・・Google先生やYoutube先生から海外含めて取付方法に関する情報を得ようとしたのですが、いまいちこれといった情報が得られなかったので、まず構造を把握して正しく取り付けるというアプローチにしました。トウピースの外観。

レバーを押し下げるとピン幅が広がります。

ピンの間にブーツのつま先を降ろして押し下げるとピンが内側に入り、つま先の穴に入り固定されます。

歩行モードではレバーを上に引き上げてピンが誤開放しないようにロックします。滑走モードでは転倒した時にブーツが外れるようにロックしません。

スキー板には4隅の穴でスキー板に固定します。手前の少し小さい2つの穴は、オプションのアイゼンを装着するためのベースを固定する穴です。手前から差し込んで上からネジで固定します。

裏側を見ると、アイゼン取付のベースが差し込めるように少し浮いた構造です。

ヒールピースの外観。

3番のプラスドライバを使い、下のネジで前後位置調整、真ん中と上のネジで解放値(最大12)を調整します。どちらも同じ数値に調整するようです。

ブレーキのスプリングの上にはカバーが被っています。このカバーをどうやって取り外すか謎でした。

どちらかにヒールパーツ回して歩行モードにします。上から数ミリ程度ですが、押し下げるとロックされます。

真ん中のネジを左に回し続けると取れます。

グリスまみれの2重のスプリングと先端のカバーを取ります。カバーがグリスでくっついて奥に残ることもありますが、その場合はラジオペンチを突っ込んで広げるようにして手間に引くと簡単に取れます。これは海外の先生から学びました。

上に抜くと簡単に取れます。

いろいろいじっているうちに偶然なんですが、後ろ側からマイナスドライバとかでこじって上に引き上げるようにするとブレーキのスプリングを覆っていたカバーが取れました。前側が爪で引っかかっている構造なので前側からこじってはいけません。

スター型のネジを4か所とると底面のカバーが外れます。

歩行モードでは、ブレーキが真ん中の爪で収納した状態で固定でき、滑走モードでは固定されない仕組みなのですが、これがヒールパーツを回すのと連動しているのは当初から理解していたものの、その仕組みがなかなか理解できなかったのですが、底面のカバーを外すことでやっと理解できました。
あと、以下のようにブレーキペダルの真下にある穴から前側のネジにアクセスできる前後位置が、工場出荷の位置(前後調整におけるセンター位置)なのではないかと想像できました。

ブレーキのスプリングを固定しているピンを叩き押し出して(海外のサイトでスプリング交換手順の動画で見ました)スプリングを取り外した方がヒールピースを付けるときにドライバを垂直に差し込んでネジを回しやすいのですが、予め浅くネジを切ってからヒールピースを固定すれば大丈夫そうです。
【故障したツアービンディングの取り外し】
故障した チロリア(TYROLIA)アンビション12(AAAMBITION 12) '19 MODEL、ブレーキ幅:105mmです。

ヒールを固定する内側の白いパーツのプラスチック製のピンが折れまくっており、想定通りの動作をしなくなってしまっています。雪が詰まると簡単に折れる構造だと思います。白い部分が金属でできていると強度的に良いのですけど。。。このヒールパーツが入手可能であれば交換することでまた使えるようになるのですが材質は変わらないのでまた同じ故障が発生すると思いました。

さくっと取り外し完了。

【入手したテックビンディングの取り付け】
取付位置の検討。ツアービンディングの取付穴に近いと強度的に問題があるので、滑走中に板がどうたわむかを想像しながら強度的に最適な位置を決めました。結果的に以前のブーツ位置より2cm前になる位置に取付けることにしました。2cm程度であればあまり滑りに影響ないかと・・・。

トウピースを先に取付けます。型紙を作ってセンターになるように養生テープで貼付け。プロが使う穴開け用ベースがあったとしても、信用できないんでこうすると思います。。。

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、穴をあける場所に型紙の上からセンターポンチで跡を付けます。その後、型紙を取り外します。

3mmの木工ドリル(ずれないやつです)で下穴を浅く開けてから、3.8mmのドリルに養生テープを9mmの深さになるような位置に巻いて「慎重に」かつ「垂直に」穴をあけます。あとから気が付いたのですが、簡易ボール盤があったのでそれを使えばよかったです・・・。

ATOMIC BACKLAND に限っては、中が空洞になっている構造のようで、ほぼ表面のプラ材質でビンディングが固定されるようです。なので、ビスは本当は4mmなのですが少し小さめの3.8mmの穴をあけて、ドライバを押し込むようにねじ切りながら固定します。
他の板はあらかじめネジを切ってから固定するのが通常のやり方と思いますが、この板に限っては小さめの穴をあけてからトウピースをいきなり固定した方がよいと思いました。4つのビスを均等に締まるように気を遣いつつ固定します。
板の内部構造は穴をあけるときの感触でだいたい想像がつきますのでどのような方法で取り付けるかは臨機応変に対応するのが良いと思います。

ブーツを取り付けてみる。

もう片側のトウピースも同じ手順で取付完了。

次にヒールピースの取付のため型紙を付けます。ブーツ現物合わせで数ミリ余裕をもって取付位置を決めます。その後、トウピース後端からヒールピースの前側ネジ穴までの距離を念のため測定しておきます。(25.4cm)もう片側の板に取付の際に同じ取付位置になっていることを確認するため。

ヒールピースのネジ穴はドライバを完全に垂直に入れることが難しいので、あらかじめ浅くネジを押し回して切っておきます。 前に書いたようにブレーキのスプリングやヒールパーツを取り外せばドライバを垂直に入れることは可能ですが・・・面倒であることやグリスに切りくずなどのゴミを着けたくないなどの理由で。

前側の2つのビスから取り付けるのですが、締め始めはヒールパーツを左右に傾けながらドライバをできる限り垂直に入れるようにして押し回して固定するのがコツです。

その後、後ろ側の2つのビスは、ヒールパーツを左右に回してドライバができる限り垂直に入るようにビスを交互に押し回します。交互にビスを締めるときにヒールパーツを左右に毎回、いちいち回さなければいけないのが面倒ですが。

滑走モードでブーツを装着すると、想定通り数ミリ間が開いてますので。

ぴったりになるように目視で調整します。厳密には隙間ゲージ使って0.1ミリ程度開くようにするのがベストだと思いますが。。。

歩行モードの確認。

ヒール高さ1段目。

ヒール高さ2段目。

完成!
ドリルで穴あけの直後の取付なので板が熱くなっていて材料やパーツが膨張している可能性があるため明日増し締めします。ネジと取付穴の構造上、ゆるみ止めの仕組みがあったので、ネジロックの固着剤は今回使いませんでした。
あと、ツアービンディングの穴は、エポキシ系の接着剤で埋めるのがベストなのですが、また使うかもしれない(?)ので表面をシールで塞ぐ程度にする予定です。

#ものすごく軽い・・・BACKLANDってこんなに軽かったのね。。(ビンディング合計で2kg以上違うので当然と言えば当然)
#メモ
#ブーツ:テクニカ COCHISE 130 DYN '18/'19 model 内285mm 外325mm、ソール一部交換
#シール:G3 Alpinist+ UNIVERSAL Climbing Skins 幅130mm 長183-199mm(L)
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