発電能力の拡張に向けて、コントローラを増設しました。

⇒前回記事:「車庫屋根ソーラー発電システム38(計測システム変更5)

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 24Vシステムで使っているRenogy Rover 60A 充放電コントローラは、複数のコントローラ間(各コントローラの「チャージコントローラー並列用接続口」間)をつなげると、充電モードの同期を取って動作する並列機能を有しています。

 コントローラを増設することで発電能力上限を拡張することができます。MoninngStar社の上位コントローラでも見られる方式です。同様に、RS485通信を使用しています。
 実際のところ複数のコントローラの同期をとらなくても発電動作はしますが、並列機能がないRenogy Rover 40A 充放電コントローラをつなげて Renogy Rover 60A と2台で実験してみたところ、充電完了後、充電モードの切替が不安定になり、パネルの発電に偏りがでて効率的に発電できないことを確認しています。

 複数コントローラを使用する別のメリットとして、コントローラ毎に電圧の異なるソーラーパネルをコントローラ毎に分けて接続することが可能です。グリッドで使われるパワコンでは、1台に複数の入力回路があるものが普通で、電圧の異なるパネルを回路毎に分けて接続することができるのですが、オフグリッドのコントローラではそのようなものは、私が知る限り無いので、並列機能がある複数コントローラで対応します。

 Renogyのマニュアルには、並列機能についての詳細は触れられていないので、Renogy-JPサポートに接続・設定方法や並列機能仕様について問い合わせたら親切丁寧に教えてくれました。

1.チャージコントローラー並列用接続口4端子のうち12V端子以外の3端子をコントローラ間で接続します
2.バッテリー種類設定や充電モードの電圧設定をすべてのコントローラで同じ値に合わせます
  スマホアプリ+BT-1、もしくは本体ディスプレイのパラメータ設定メニュー(SET)から変更
3.並列稼働用に通信設定を変更します
  本体ディスプレイのパラメータ設定メニュー(SET)⇒485:communication⇒Parallel Operationに変更
4.並列稼働用に「Address」を設定します
 設定メニューの2番目の画面の「Address」をコントローラ毎に別の数値に変更します
 以下変更前、左側の追加したコントローラのデフォルトはなぜか「17」になっていいました。自動設定されたかもしれません。「Address」の設定は意識しなくても並列機能は正常に動作するとのことですが、設定した方が並列機能はより安定するとのことでした。
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 以下変更後。左側の追加したコントローラの値を「2」に変更しました。
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5.並列機能動作の正常性確認
 並列機能が正常に動作していれば、本体ディスプレイの表示上、メインコントローラーの矢印は「黒」を表示し、サブコントローラーの矢印は「白」を表示するとのことです。
 以下、右側がメインとなっています。コントローラをバッテリーに接続しなおすと「Address」の設定は変えていないのに、メインとサブが逆になることもありました。これは正常とのことです。
 余談ですが、コントローラ3台以上を並列に接続した場合、1台がメインとなり、その他すべてのコントローラがサブになるとのことです。
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 並列機能の設定は以上になります。

 以下、変更前 シングルコントローラの24Vシステム構成です。
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 以下、変更後 1台コントローラを追加した24Vシステム構成です。
 今回、メンテ性向上のため、DCブレーカを導入しました。ついでにDC避雷器(SPD)も導入しました。SPDの接地はしていません。独立系システムのため接地をすることで逆に弊害が出ると考えています。回路に雷誘導により過電圧がかからないことを期待しています。
 2台目のコントローラには、1台目のコントローラに接続されているパネルと電圧が異なる310Wのパネルを2枚直列で接続しています。
 このパネルは12Vシステムで一時期使っていましたが、使ってみて性能がかなりいいパネルとわかり、消費電力の少ない12Vシステムで使うのはもったいないので、24Vシステムの増設パネルとして使用することにしました。近々同じパネルをもう2枚増設予定です。
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 以下、変更前 12Vシステム構成です。
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 以下、変更後 12Vシステム構成です。
 以前使っていた55Wのパネル2枚を復活させて直列に接続しています。こちらも DCブレーカ、DC避雷器(SPD)を導入しました。
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 パネルの配置は以下のようになっています。
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 結果、車庫内はこんな感じになりました。
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 以下、変更前の計測システム。
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 以下、変更後の計測システム。Prometheus Server ①のDBが、車庫のRaspberryPi3の電源ON/OFFしているうちに壊れてしまい、直すのが面倒くさいので自室のRaspberryPI4にPrometheus Server を統合しました。元々の冗長化構成が生きました。
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 LifePO4バッテリーの cell2 が、購入当初からですが、電圧変動が大きい低品質セルで、電流が比較的少ないときは利用に差し支えなかったのですが、能力拡張に伴い電流が大きくなったら BMSのセル電圧オーバープロテクトが動作し充放電が頻繁に停止する状況になり運用に支障がでてきたので、1セルのみを交換用に発注しました。到着待ちです。
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 とりあえず、バルク充電時の最大電流を下げるためブースト電圧をデフォルトより下げました。2台のコントローラの設定値を以下に変更しました。
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