前回、「LiFePO4バッテリーへの移行に向けて構築作業中(輸入部品到着待ち)」の状況をお知らせしていましたが、予想より早く到着したので構築に着手しました。 今使っているAGMバッテリーがすでに寿命を迎えていて、交換にかかるコストと使用可能サイクル(寿命)で比較した結果、中国製リチウムイオン電池を採用した方が安くなる見込みのため購入を決断しました。 中国製LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)なので、親しみを込めて「リンさん」と呼んでいます。
 正直言うと、中国製のリチウムイオン電池っていろんな意味で大丈夫なのという印象は最初あったのですが、圧倒的な安さといろいろな先人のブログやYouTubeを見ると問題なく実用に供している例が多くみられるので印象は変わっていきました。 とはいえ半分人柱的な気持ちもあり、毎日使用するものなのでしっかりテストしてから使うことにしました。
⇒前回記事:「車庫屋根ソーラー発電システム21(10枚⇒12枚増設)
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 中国からの輸入になりますので、発注から長い期間かかることは覚悟しなければなりません。 さらに、リチウムイオン電池単体の輸送は全世界的に航空機を使えないらしく船便のようです。 ただ、AliExpressでのオンラインショッピングですのでその他、関税とか手続きなどの面倒くさいことは基本的にありません。 今回AliExpressのメッセージ機能で店舗から問合せがあり、少しやり取りしましたが、簡単な英語によるやり取りで、いまは無償の翻訳サービスが優秀なので特に困ることはありませんでした。
・2021年2月23日 AliExpless出品店舗で発注
 商品:US$319.33、送料:US$147.33(Seller's Shipping Method) ※支払いはPayPalを使用しました。
・2021年3月4日 店舗から発送⇒1週間バランシングしてからの発送ではないかと想像しています。
・2021年3月8日 店舗から日本語の住所の問合せ。配送業者との取決めによるとのことでした。
・2021年3月14日 到着
 発送から10日での到着でした。サイト上の予測では4/3以降だったのでかなり早かったです。
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 バスバーと6mmボルト/ワッシャーは8組同梱。
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 こんな感じの梱包でした。
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 外装のシール貼付けが少々雑ですが、あまり気になりません。 テスターで確認したところ全セル3.0Vでした。
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 BMSについて。
・2021年1月28日 AliExpless出品店舗でSmartBMS本体、UARTモジュール、Bluetoothモジュールの3点発注
 商品合計:US$69.44、送料:US$1.98(Aliexpress Standard Shipping) ※支払いはPayPalを使用しました。
・2021年2月3日 店舗から発送
・2021年2月20日 AliExpressから国内に入った旨メール連絡。⇒旧正月を挟んだため時間がかかったかも。
・2021年2月22日 到着
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 到着直後に抵抗分圧による疑似バッテリー回路で動作確認済です。
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 その他以下部品をビバホームで買ってきて、蓄電池をテストするため仮構築しました。 SmartBMS本体、Bluetoothモジュールを接続し、充電を開始します。
・丸型圧着端子2-6 ×9個 ※BMSからセル間接続用
・丸型圧着端子5.5-6 x4個 ※BMSのマイナス側端子用
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 充電開始後24Vから徐々に電圧を上げていきました。 電圧を上げるタイミングは最大電流6Aを下回るタイミングで実施します。 リンさん そこそこの吸い込み具合です。
 以下iPhone版アプリはモニタ機能が無料ですが、設定メニュー(configボタン)を使うためには購入が必要です。 Android版は使ったことがありませんが、アプリの見た目は全く違うようです。
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 iPhoneでBluetooth接続動作確認後、設定変更する可能性があるので、PCの無料ソフトに切替えました。 UARTモジュールを介して接続します。
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 安定化電源(充電器)が最大出力6Aで「しょぼい」ので夜通し充電し続け 翌朝になりました。
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 もうすぐ充電完了します。 セルの電圧がばらつき始めてバランス機能がONになったり、OFFになったりし始めました。
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 設定内容は検討した結果、ほぼデフォルトでよさそうです。
MPPT充電コントローラとの連携を考えたうえでバッテリーの寿命を延ばすために、後々CUVPは2700mVに変更しようかと思っています。 充電コントローラの遮断電圧は22V(セル当たり平均2750mV相当)なので。

MPPT充電コントローラ仕様表 GEL=AGM、LFP=LiFePO4
※以下の表は、スマホだと全体が表示されません。PCのブラウザを使用してください。
                                                                                                                                                                                                                                                               
GELLI(LFP)
12Vsys24Vsys24Vsys12Vsys24Vsys24Vsys
/cell/cell
高電圧切断High Voltage Disconnect1632416324
イコライゼーション電圧Equalization Voltage------
ブースト電圧Boost Voltage14.228.43.5514.428.83.6
フロート電圧Float Voltage13.827.6--
ブースト復帰電圧Boost Return Voltage13.226.43.313.226.43.3
低電圧復帰電圧Low Voltage Reconnect12.625.23.1512.625.23.15
低電圧警告Under Voltage Warning1224312243
低電圧切断電圧Low Voltage Disconnect11222.7511222.75
放電制限電圧Discharging Limit Voltage10.621.22.6510.621.22.65
イコライゼーション時間Equalization Duration000000
ブースト時間Boost Duration222---

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 容量率が98%で中途半端なので・・・
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 少し高めの電圧を印加したところ、5番のセルが充電遮断の条件にはまり遮断されたものの容量率100%達成しました。 以下の画面でCharge FETが灰色になっているのがわかります。 面白いと思ったのは、MOS-FETで制御しているらしいのですが、双方向に挿入されており過充電で充電がストップしても放電は可能で、その逆 過放電で放電がストップしても充電は可能らしいです。
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18:30 放電テスト開始
 オイルヒータで定常的に625Wを消費させます。MAXで1520W消費させることが可能です。 数分MAXにしてみましたが問題なしでした。 インバータつなげるときに気が付いたんですが、間にBMSが入って突入電流を保護しているみたいで、バチッって言わないんです。
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 テスト開始直後。
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19:30 1時間経過、25Ah順調に消費
 容量率予定通りでクリアですが、どうも計算でだしているっぽいので、最後(25Ah×4時間)まで使用できるか確認する必要があるようです。まあ、電圧の動きをみると大丈夫そうですが。
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20:30 2時間経過、50Ah順調に消費
 半分になりましたが、ほとんど電圧変わっていません。LiFePO4の特徴です 今日は暖かいのですが、花粉が入らないように部屋を閉め切っているのでオイルヒータの熱で室内が30度近いです。。。
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21:30 3時間経過、75Ah順調に消費
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22:30 4時間経過、ほぼ100Ah消費しバッテリーの仕様通りです
 Cycle Count が1にカウントアップしました。
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 オイルヒータ、インバータを停止して無負荷にしたら、内部抵抗分セル電圧が上昇。 平均で3.5mオームくらいでしょうか。
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 結果、テストOKです。 正直なところ、外見から100Ahってわからないので、60Ahだったらどうしよう・・・とか、中身が単一電池2本直列内蔵だったら?!どうしよう・・・とか不安でした。 リンさんに缶ビールで乾杯とともに ご褒美に電流を奢りました。 相変わらず吸い込みがいいです。 明日以降、ケースを製作して車庫屋根ソーラー発電システムに組み込む予定です。
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 あとは、使用可能サイクル(寿命)ですが、こればかりは使ってみないとわからないので・・・